» 思い出のドライブのブログ記事

私は大学4年生の時に運転免許を取りました。

その頃やはり教習所に通っていた同じ大学の男子とどちらが早く免許を取れるかで、ケーキを掛けて競争しました。

彼と私は違う教習所に通っていたので、技能が取れる確率が違いました。更に年末だったので、みんな年内に取ろうとするので、なかなか空きがありません。

彼の方は大体毎日乗れたようで、結局私が数日遅れてしまい、彼にケーキをおごらなくてはならなくなりました。

東京の広尾に私の好きなケーキ屋さんがあったので、そこへ行こうと思いました。私の家には車が無かったので、彼が買った中古の車で池袋辺りから広尾まで2人でドライブすることに。

2人共初心者ですから、初心者マークを前後にしっかり貼りつけ、行きは彼が運転しました。

若いと言うことは怖いもの知らずで、お互い免許取りたての身でも怖いという気持ちは全然ありませんでした。

お互いの運転が巧い方なのか、下手なのかもわかりませんが、とに角試験には受かって免許を取れているのですから、安心といえば安心でしょうか。

また、彼は無謀な運転をするタイプとは正反対の性格だったので、その点は良かったと思います。

行きは彼の運転で。

ある大きな交差点を走っている時、黄色信号になりました。

そのまま彼は進みましたが、途中で赤になり、彼の車だけが交差点の中にほぼ1台分出る格好になってしまいました。

これでは他の車の邪魔になってしまいます。2車線か3車線の大きな道路だったので横を見ると、隣の車線には車が前の方にいるだけで開いています。

そこで、私は彼に、「ちょっと下がってあの車線につけよう」と言いました。

すると、彼は何を思ったか、ダーッとバックをして、交差点のど真ん中に停車したのです。

私は「下がって」とは言いましたが、確かに隣の車線を指さして「あの車線につけよう」と言ったのですが・・・。

私はビックリしましたが、もうこちらは赤信号だし、青信号の方の車が大量に走り出した後なので、もうそこにいることしか出来ません。初心者マークを付けていましたから、他の車も「しょうがないな」と思って見ていたことでしょう。

それから彼に私の意図を説明しても無駄なので、私も黙って信号が変わるまで待ちました。大きな交差点だけに、なかなか信号が変わらないので何となくハラハラしました。

ケーキ屋さんで2人でケーキを食べ、帰りは私が運転していい?と聞くと、彼がいいと言ってくれたので、私が運転席に座りました。

エンジンを掛けた途端のことです。いきなり車が後ろに動き出しました。私はどちらに動いているかも何が起こっているかも一瞬わかりませんでしたが、取りあえずブレーキを踏んだのは奇跡でした。

すぐ後ろにも車が停まっていたからです。

何が起こったのかというと、彼は行きに駐車した時、教習所で習った通りギアをバックに入れて車を下りたのです。

ところが、私は普段彼氏の車を運転させてもらっていたのですが、その彼氏が、駐車する時バックに入れずニュートラルにして降車していたので、私もそうしていたのです。

ですから、エンジンを入れても動くはずがないと、ギアの確認もせずに勝手に思い込んでいたのでした。危なく後ろの車に激突するところでした。

行きも帰りも何だかしまりのないドライブでしたが、とに角事故らず、怪我も無く、命を落とすことも無く帰れて本当に良かったです。ケーキも美味しかったです。

若い頃はデートでドライブに出かける事が多くて、行き先を決めずに行き当たりばったりで車を走らせることもありました。地元が神戸なので、港の方へ出かけては2人で海を眺めながら、なんでもない話を永遠としていても、飽きないほどでした。

少し足をの出して大阪の方へ行ってみたり、夜中にドライブしながら街の夜景や繁華街を歩く人を観察しながら、「あの人はこれから家にかえるのかな」「あの家族は深夜なのに小さい子供を連れている」なんて、言いたい放題好き勝手な話題で盛り上がっていました。

夜に車を走らせていく定番の場所は決まってドン・キホーテで、色々な商品をみながら大型家電量販店で買うより安いのに驚いたり、部屋着や日用品を揃えたり、面白パーティーグッズを試してみたりして、夜中の眠れない2人にはいい時間つぶしになっていました。

そんなドライブを良くする2人なのですが、運転するのは決まって彼の方だけ。私はというと、免許も持っていないので助手席が定位置になっていました。私が疲れた時などに運転を変わってあげたりできるので、運転免許を取りたいと言い出しても、彼は自分以外がハンドルを握る事を嫌うほど、車の運転が好きな人だったのです。

そんな彼はちょっと危険な走りが好きなドリフトファンの彼でした。ドリフトとは、故意に車を横滑りさせたりして楽しむ車のスポーツとでもいう物でしょうか。時にはサーキットへ連れて行かれることもありました。

私は彼と出会って初めてそんな世界がある事を知る事になったのですが、隣に私が乗っている時でも気にせずドリフト走行をしてしまうのです。サーキットについて行って、毎回一緒に乗せられてしまうのです。断り切れないのは私の性格なのですが、彼は私に自慢のドライビングを披露出来るのが楽しいようで、私も吐き気をこらえながらも、そんな彼の横顔を見る事が好きでした。

そんな彼の車なので、乗り心地はお世辞にもいいとは言えず、振動はお尻が痛くなるほど体に伝わってくるし、何だかわからないバーが車内に張り巡らされていました。運転席のシートはバケットシートと言われるホールド性に優れた物で、常に燃費を気にしていたので、エアコンを掛ける事は少なかったです。

車の走行音は、私の家の近所を走ってほしくないほどの騒音で、これでは街中では走れないなと密かに思っていました。そんな車でサーキットへ出かけるので、横に座らされる私は内心冷や汗が止まらず、いつ気絶してしまうかとヒヤヒヤしていました。

しかし、彼と過ごす時間の中で私の中にも少しづつ車の知識が入ってきたのも事実で、少しづつ彼の趣味に共感している自分がいました。いつしか、彼と一緒に車の話が出来るまでに私自身も成長していたのです。そんなことをふと感じ、一人で笑ってしまっていました。

そんな彼も、結婚した今となっては落ち着いてくれて、昔よりはサーキットへ行くことも少なくなりました。家庭を持って、日常的に使いやすい車に乗り換えましたが、家の駐車場にはあの頃を匂わせる車が1台綺麗なままで維持されています。

今でも週末には洗車をしたり、色々メンテナンスをしています。彼にとっては今でも数少ない趣味の一つなのですが、いつのまにか、私にとってもいい思い出になっていました。またあの助手席に乗るのは勘弁してほしいですが、あの時と変わらず車をいじっている楽しそうな彼の横顔を見つめる事が私は今でも楽しくてしかたがありません。

私が子どもの頃飼っていた犬は、ドライブが趣味でした。
当時は犬は外飼いだったので、たまに庭から脱走してしまうことがあったのですが、そういうときもあまり遠くには行かないで、隣の家の庭などからこちらの様子をうかがっているような犬でした。

でも、「ご飯よ~」とか「お菓子よ~」とか呼んでも戻ってこようとはしなかったんですが、「車に乗るよ~」と言って、車のドアを開け閉めする音をさせると、急いで戻ってくる犬でした。

そんな犬だったので、父の運転で、家族で祖父母の家に行くときに犬も連れて行くと大喜びでした。
犬は車の後部座席に乗って、窓を開けて、窓枠に前足をかけて、外を眺めるのが好きだったので、私が後部座席に座り、犬が外を見れるような長さでリードを持っていました。

犬は、毎回乗るたびに左右どちらの景色が面白いか迷うようで、乗り込んでしばらくは落ち着きなく、左右を行ったり来たりしました。
行ったり来たりするたびに私の足を踏んだり、太ももを踏んだりするのが痛かったのですが、犬のその様子が可愛くて、私は痛いのも気にならなくて、いつも笑っていました。
私はだいたい左側に座っていて、犬は毎回迷うくせに、結局はいつも私がいる左側の窓を見ることに決めて、私の足を踏みながら、外を見ていました。

車なのだし、帰り道だと夜なのだから、すれ違う車のライトを見たいなら右側になると思うのですが、田舎で、真っ暗な景色の方が多い左側を選んだということは、後から思うと、犬にとっては、私と一緒に外を見るという状況が楽しかったのかなあと思って、改めて、当時の犬の様子が可愛くて、なつかしく思い出します。

犬は、お出かけすること自体よりも、車に乗ることが好きだったようで、一度川に連れて行った時は、川原で遊ぼうともしないで、車のそばにいました。
私は今は普段は車に乗らない生活をしているので、ドライブというと、子どもの頃飼っていたその犬を思い出します。